2016年6月17日 (金)

事業承継となかなか引退しない社会

事業承継を進める本を図書館で目にしました。
「事業承継って大事だ」「早くから考えた方が良い」
正論です。
国も経営承継円滑化法という法律を作って事業承継を促そうとしており、このこと自体は誰も反対しないでしょう。

しかし、残念ながら今のところ事業承継はうまくいってないようです。
経営者の中心年齢は2015年で66歳で、この20年で19歳上がっている。このままだと2030年には経営者は80歳前後になって中小企業が消滅してしまうんじゃないか・・・という記事を日経新聞が書いているほどです。

原因は、「経営者が引退しないこと」
これに尽きるでしょう。
事業承継の本を読むと、「55歳を超えたら事業承継を考えましょう。その為にはご相談下さい」というようなことが書いてあります。一番初めに考えるべきことは何か。それは「引退時期の設定」とあります。
引退時期を設定して初めて事業承継が問題になるのですから、引退を考えない経営者に「事業承継は大事」といっても省みられないのでしょう。

考えてみれば、今は引退とか隠棲というものが全く尊ばれません。そんなことより、「生涯現役」です。80代でも経営者としてガンガンやっている方が目につきます。ちょっと前だと「老害」なんていって非難の対象になっていたことが、今や全く言われなくなりました。

歳をとっても元気でいたい。願わくば現役でいたいという思いと、引退してしまったら何をすればいいんだ、仕事以外何をしろというんだという思い、それに自分はいつまで生きるかわからん、80かもしれないし、90かもしれない、いけるところまでは現役でいくんだ、老後にいくらかかるかわからないし、などという思いがないまぜとなって、なかなか引退しない社会ができあがってしまっているような気がします。

高齢者ががんばれる社会は非常に重要です。
しかし、人間には寿命があり、何ら備えもしないでトップが亡くなってしまうというのも会社という組織に大打撃です。
 そのようなリスクに備えつつ、高齢者も働ける体制を作っていく必要があるのでしょう。

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2016年4月28日 (木)

調停は相手方の住所地とは限りません(自庁処理)

調停では、申立てた方を「申立人」、申立てられた方を「相手方」と呼びます。
調停はどこで申し立てることができるかといいますと、相手方の住所地又は双方で合意したところというのが原則です。
調停にまでなるわけですから、合意なんでなかなかできません。
そうすると、相手方の住所地の裁判所ということになってしまいそうですし、実際そういうことが多いです。

例えば、夫婦二人で千葉市で暮らしていたけれども、男性のほうが実家に帰ってしまった、その実家は東京ですというような場合、女性から離婚調停を起こそうとすれば、東京の裁判所ということになります。

しかし、この原則には例外があります。

先ほどの例だと、千葉の裁判所には管轄がありません。
ですから、千葉の裁判所に女性が離婚調停を申し立てても、通常は東京の裁判所に移送されてしまいます。
ところが、裁判所が「特に必要と認めるとき」には千葉の裁判所でも調停はできるという規定があるのです。
これを専門的には「自庁処理」(じちょうしょり)といいます。

「特に必要と認めるとき」ですから、何か事情が必要です。
病気がちで東京まででも行くのが大変とか、夫は東京で暮らしているけれども、働いているのは千葉市だとかそういう何か理由となりそうなことを主張してみるほかありません。

「特に必要と認めるとき」というような曖昧な規定になっていますので、最終的には裁判官の判断になります。
裁判官の判断にかけて、ダメ元でも主張してみるということにはなりますが、主張するだけならデメリットはありませんので、やってみる価値はあるかもしれません。

弁護士に相談すると、とかく原則を強調して、「これは相手方の住所地の裁判所でやらないとダメですね」と言われることが多いかと思いますが、法律というものはこういう曖昧な側面で例外的な場合を救ってくれるようにできていますので、相手方の住所地ではどうしても困るという場合はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

なお、自庁処理をせずに、相手方の住所地に移送した裁判に対しては異議申し立て(即時抗告)ができます。場合によっては違法になるという高裁の決定もでていますから、注意が必要です(仙台高裁平成26年11月28日決定「家庭の法と裁判」p112)。

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2016年4月17日 (日)

離婚しない弁護

弁護士への離婚の相談というと、「離婚したいので、力を貸してほしい」というタイプがもちろん多いのですが、反対に「離婚を迫られているが、離婚はしたくないので、なんとかならないか」というご相談もあります。

このような相談に、「離婚はしないというようなご相談にはのれない」と答える弁護士もそれなりにいるのではないかと思います。これは離婚するとなればいろいろと法律問題が生じるが、離婚しないということは法律問題ではなく、夫婦の心の問題だから弁護士が関与するものではないと考えているからでしょう。

しかし、別居ともなれば、婚姻費用が問題となりますし、子の面会交流も問題となります。離婚するしないという問題はご夫婦の心の問題でしょうが、婚姻関係が破綻しているかどうかは法律問題です。

そのような考えから、法律事務所大地では、「離婚しない」という方向での弁護活動も行っております。

「離婚しない弁護」といっても限界はあります。永久に離婚を防ぐことができるわけではありません。別居期間が長くなれば、裁判の場では離婚の可能性が高くなっていくからです。

そのことを分かっていただいた上で、真面目に夫婦関係を修復したいとの願いをお持ちの場合に、離婚しない弁護が必要です。

ご自分で調停などをされる方もおられますが、別居していて葛藤が高くなっているの場合には、修復のやり方は工夫が必要です。相手の気持ちを考慮しながら進めていくには、それなりの方法があります。

修復できるかどうかは最終的にはご本人の気持ち次第ですが、できる限り修復したいとのご意向があればそれに沿って弁護活動を行っていくのが当事務所の方針です。


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2016年3月13日 (日)

GPSでの配偶者の位置把握

GPSで配偶者の不貞調査することが法律上どう見られるでしょうか。

以前、「GPSで配偶者の位置を把握するのは問題?」でこの問題に触れました。
その時に、大阪地裁では刑事事件で二つの裁判例が出ているとの指摘をしましたが、どうやらその高裁判決がでました。
http://mainichi.jp/articles/20160302/k00/00e/040/206000c


記事によると、
”警察官らが機械的に捜査対象車両の位置情報を取得し、過去の位置情報を網羅的に把握した事実は認められず、「プライバシーの侵害の程度は必ずしも大きくない」と判断。ただ、令状なしで捜査に利用したことについて、「違法と解する余地がないわけではない。今回の事件についてみる限り、重大な違法があったとまでは言えない」と言及した。”
ということです。

 この裁判官の考え方からは、
1 プライバシー侵害はある
2 具体的事情によっては違法と考えることもできる
3 ただ、重大な違法とはいえない
ということになろうかと思います。


民事上では、違法収集証拠は刑事事件のときよりも問題とされにくいので、GPSを利用して集めた証拠が証拠としての能力がなくなるということは、民事上ではおそらくないであろう。
しかし、GPSをつけたことがプライバシー侵害にあたるとして違法となり、損害賠償を配偶者から請求されることはありうる(もっとも違法とならない場合は配偶者からの損害賠償は認められない)ということになるでしょう。

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茂原市と荻生徂徠

茂原市本納には、荻生徂徠勉学の地があります。荻生徂徠の父が江戸を追われていた時期があり、その間一家は徂徠の母方の実家のある茂原市本納に移り住んでいたのです。つまりは、勝ち組からは転落してしまった。そんな時期が荻生徂徠の茂原時代でした。

荻生徂徠は、将軍徳川吉宗の諮問に応えて政治論を著してしますが(「政談」)、その中で茂原にいたときのことを書いています。

「私が17,8歳のころ、上総の国に住んでいて聞いた話がある。加賀の国には非人が一人もいない、もし非人がでると、小屋を建てて、その中にいれておき、草履を作らせたり、縄をなわせたり、さまざまの仕事をさせて、藩主の方からこれを養うかかりの役人をつけておき、その縄や草履などを売らせて、やがて元のように店を持つことができるようにしてやるのである、と加賀国から逃亡してきて、上総に居住している者が語るのを聞いて、これこそまことの仁政であると思ったことであった。」

この加賀の貧困対策というのはなかなか興味深い。小屋を建てて住むところを確保させる。これは今でいえば、ホームレス対策の無料低額宿泊所にあたるでしょうか。

それから、草履をつくったり、縄をなわせたりという仕事を与える。雇用対策ですね。
さらに、役人がその人のためについて、縄や草履を売らせて、もとの状態になるように復帰を援助する。かなりの手厚さです。
荻生徂徠が「これこそまことの仁政」と感嘆の声をあげるのももっともで、現代でもここまでの手厚い支援はありません。

徂徠はこの話を加賀からの逃亡者から茂原にいたときに聞いたとしています。特に仔細もなく江戸在住であったならば、逃亡者からの話を徂徠が聞くことはなかったでしょう。
加賀の国からの逃亡者との交流は、徂徠の心の中に強烈な印象を残し、後年の将軍への建白に繋がったのでした。

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長生地域(茂原市、一宮町、白子町、長柄町、長南町、長生村、睦沢町)にお住まいの方については、現在電話での法律相談を無料とさせていただきます。
詳細は下記にお問い合わせください。

<電話番号>
◆通常受付ダイヤル 平日午前9:15~午後5:00
→ 043-225-0570

◆時間外受付専門ダイヤル 平日午後5:00~午後7:30&土日祝午前9:15~午後7:30
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2016年2月21日 (日)

電話無料相談のお知らせ(山武地域にお住まいの方)

山武地域にお住まいの方については、電話での無料法律相談を開始します。
期間限定で2016年5月31日までです。

お申し込み要領は次のとおりです。

【対象地域】:東金市、山武市、大網白里市、山武郡九十九里町、横芝光町、芝山町、多古町

【ご相談時間】 20分程度。お一人様、2回まで無料。ご本人様のご相談に限ります。

【実施日】平日(月~金) 午前9時半~午後7時半の間

【お申し込み方法】下記にお電話ください。
 通常受付ダイヤル 平日午前9:15~午後5:00       043-225-0570
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2016年2月 7日 (日)

面会交流~「裁判勝っても保障なく」

静岡新聞の面会交流の記事です。

「わが子」に会いたい~離婚と面会交流 (1)裁判勝っても保障なく
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160207-00010000-at_s-l22

記事の事案では次のようなケースのようです。
***********
 夫婦の離婚は裁判所の調停で話し合われた。夫婦には一人息子がおり、別居後は妻が子どもと共に暮らしている。
 離婚調停中に、夫は、息子と面会交流をした。
 調停で離婚は成立し、親権は妻が持つこととなった。
 調停では面会交流にについては条項を定めたのかどうかは不明である。
 しかし、条項の有無に関わらず、妻は離婚後から父子の面会を認めなかった。
 否、連絡すらとれなくなった。
 
 元夫は家裁に面会交流を求める調停を起こしたが、不成立。審判に移行し、「月に1回、市内で2時間程度面会をする」と裁判があった。
 男性の勝訴である。
 しかし、元妻は、息子を会わせようとしない。
***********
 実際に法律相談を受けていますと、この男性のようなケースは、決してまれではないと思います。
 
 面会交流の最大の問題点は、この記事の題にもあるように「裁判に勝っても会える保障がない」ことにあります。
 
 現在の裁判所の考え方は、原則として面会を認めます。
 このケースでは、月1回2時間程度という裁判が出ていますが、これが裁判所の今のスタンダードな考え方でしょう。
 
 しかし、それを強制していくということはすぐにはできないような裁判になっています。
強制していくには、再度面会交流の調停(または審判)を申し立てなければならない。
このように何回も何回も裁判所に申し立てをするのでは、心が折れてしまうのが普通でしょう。
 実際、この男性も「裁判に勝ち続けても、願いはかなわない。仕事を休んで法廷闘争に時間を費やす間、息子は成長していってしまう」という思いから、間接強制を行おうとは思っていないようです。

 アメリカの映画を見ていると、再婚したと思しき夫婦のもとに、元夫が子どもを迎えに来る・・・というシーンがあるので、アメリカではそういう理想的なことが行われているところもあるのでしょう(全てではないのでしょうが)。

そういう理想が日本でも現実のものとなるのはまだ先のようです。

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2016年1月25日 (月)

離婚調停の成立

離婚調停が成立しますと、調停調書というものが裁判所で作成されます。

成立の時に、裁判官が読み上げた条項が調停調書になりますから、裁判官の読み上げた内容はよく聞いておかなければなりません。
裁判官が違うことを述べた場合は、直ちにその場で間違いを指摘する必要があります。
弁護士が同席していれば、それは弁護士の職責ですが、弁護士を依頼していなければご自身が注意して聞かなければなりません。

調停調書は、申請をしないと交付してくれません。
正本と謄本というものがあって、それぞれ効力が違います。
この辺は弁護士を依頼していなくても、書記官が説明をしてくれるでしょうから、あまり心配はしなくてもよいのかもしれませんが、申請をしなければ交付はしてくれないのだということは覚えておいてください。

離婚の届けは、当事者のどちらか一方が役所に届け出ることとなります。
この届けは法律上は10日以内にしなければならないこととなっているので、調書が届くのが遅いとなかなかタイトなスケジュールとなります。
本籍地に届け出るときは、離婚届けと調停調書(省略謄本)を提出すればよいですが、本籍地でない役所に届け出るときは、戸籍謄本が必要なので、注意が必要です。
調停調書が届く前に準備をしておいた方がよいでしょう。

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2016年1月12日 (火)

法律家の力量

2016年も始まりました。
法律事務所大地では、今年は1月4日から執務が始まりました。
早くも法廷で尋問を行うなどフル回転です。

ところで、どうも法律家一般の力量の衰えを感じることが多くなりました。
例えば、裁判官。事案を裁いて一定の解決に導くためには、事案を適確に把握する力が必要です。
しかし、残念ながら適確に把握していない裁判官が散見されます。
先般も法廷に行きましたら、裁判官の質問が事案の基本中の基本に関することで、そのような前提すら把握できていなくて大丈夫なのだろうかと不安を感じざるを得ないことがありました。
以前に比べれば、民事の訴訟件数は減っているというのに、どうしたことなのでしょうか。

裁判官だけでなく、検察官も同様です。以前ならば、検察官の作成する調書を読めば、事案のアウトラインは掴めたものです。しかし、今は検察官の調書は薄っぺらなものが多く、長くても事案の大筋を捉えることができるような調書は減ってきています。

事案の本質を捉えることより、部分的な把握で精一杯という感じです。

裁判官や検察官について言及しましたが、我々弁護士も同じなのかもしれません。時間におわれるだけで、本質の把握が疎かになっているのは法曹界全体の傾向のような気がします。

当事務所では、より良い解決を探るため、事案の本質に迫る弁護活動を行っていきたいと考えております。

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2015年12月21日 (月)

年末・年始の執務時間のお知らせ

当事務所の年末年始の執務時間は下記のとおりですので、よろしくお願い致します。

(年内) 12月25日(金)まで  執務時間は平常どおり

(年始) 1月4日(月)から    執務時間は平常どおり

※12月26日~1月3日は執務は休ませていただきます。

※なお、相談受付は行っておりますので、相談ご希望の方は執務時間外のダイヤル「043-221-1388(午前9時~午後7時半まで受付)」へお電話下さい。

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