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2009年10月23日 (金)

有責配偶者からの離婚請求を認めた裁判例

離婚原因とのからみで、有責配偶者からの離婚請求が認められるかという問題があります。

これにはいろいろ難しい問題がありますが、現状は、
 場合によっては認められる
ということになっています。

 どんな場合に認められるかは法律に書いてあるわけではないので、裁判でケースごとに判断されます。

 ところで、そもそも有責配偶者からの離婚請求であっても、相手方が事前にこれを許していれば、法律上は有責配偶者からの離婚請求にはならないという裁判例があります。

東京高裁平成4年12月24日判決
判時 1446号65頁
というのがそれです。

 どういうケースかというと、
1 妻に不貞行為があつた
2 しかし、夫はこれを許し(判決では、「宥恕」という言葉を使っています)し、しばらく通常の夫婦関係に戻った
3 が、その後婚姻関係が破綻した
このような場合、妻から離婚請求が許されるか?というのが問題となりました。

 妻は不貞行為をしているので、有責配偶者になるのではないかと一見思えますが、判決は、妻からの離婚請求を認めました。

判決の主要部分は、最後に載せておきますが、簡単に言うと
夫が妻の不貞行為を一度許したのなら、それを蒸し返すことはできない、
このような場合は、有責配偶者からの離婚請求とはしない”

というものです。

(判決の主要部分)
旧民法八一四条二項、八一三条二号は、妻に不貞行為があつた場合において、夫がこれを宥恕したときは離婚の請求を許さない旨を定めていたが、これは宥恕があつた以上、再びその非行に対する非難をむし返し、有責性を主張することを許さないとする趣旨に解される。この理は、現民法の下において、不貞行為を犯した配偶者から離婚請求があつた場合についても妥当するものというべきであり、相手方配偶者が右不貞行為を宥恕したときは、その不貞行為を理由に有責性を主張することは宥恕と矛盾し、信義則上許されないというべきであり、裁判所も有責配偶者からの離婚請求とすることはできないものと解すべきである。本件において、既に認定したところによれば、被控訴人は、控訴人の丙川との不貞行為について宥恕し、その後四、五か月間は通常の夫婦関係をもつたのであるから、その後夫婦関係が破綻するに至つたとき、一旦宥恕した過去の不貞行為を理由として、有責配偶者からの離婚請求と主張することは許されず、裁判所もこれを理由として、本訴請求を有責配偶者からの離婚請求とすることは許されないというべきである。
 そして、前記認定の事実関係によると、控訴人と被控訴人との婚姻関係は、既に回復し難いほどに破綻したものというべきであるから、民法七七〇条一項五号にいう「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当するものというべきであり、右破綻について控訴人に専ら又は主として責任があるとはいえないから、控訴人の本訴請求は正当として認容すべきである。

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