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2009年12月28日 (月)

妻のうつ病が治癒可能だということを理由に夫の離婚請求を認めず

妻のうつ病が治癒可能だということなどを理由に夫の離婚請求を認めなかった判決があります(名古屋高裁)。

名古屋高裁平成20年 4月 8日判決(家月 61巻2号240頁)
 事案としては、
 1 夫婦は結婚してから数年ほどは平穏に暮らしていた(子ども一人をもうけた)
 2 妻、うつ病になる
 3 妻がうつ病になってから1年以内に夫は別居した
 4 別居状態が開始してから4か月程しか経たないうちに早くも離婚調停を申し立て、その後訴訟にいたる

このケースは、有責性はなっておらず、
  婚姻関係が破綻しているかどうか
が争点になりました。

 一審判決は、夫からの離婚請求を認めています。
 理由としては、
 ① 原告と被告の別居期間が既に約2年半を超え、ほとんど交流がない
 ② 別居当時の被告の言動はうつ病の強い影響を受けていたと考えられ、被告の責任とはいえないが、原告はそれによりすっかり関係修復の意欲を失っており、そのこと自体はやむをない
 ③ 別居等の状態に至ったのは双方に相応の原因がある
ことなどの事実からすると、婚姻関係は既に破綻していると認められる(名古屋家裁岡崎支部平成19年 3月14日判決家月 61巻2号251頁)。
 
高裁判決は、一審判決を覆し、夫の離婚請求を認めませんでした(名古屋高裁平成20年 4月 8日判決家月 61巻2号240頁)。
 理由としては、
 ① 別居から3年3か月経っているが、夫が離婚を考える原因となった妻の言動は、うつ病の影響を受けたものである可能性がある
 ② 別居後4か月ほどで申し立てられた調停や訴訟の機会を除くとほとんど話し合いの場を持つことができなかった夫婦にとって、妻のうつ病が治癒し、あるいは妻の病状についての夫の理解が深まれば婚姻関係は改善することも期待でき、現時点ではいまだ破綻しているとまではいえない
ということがあげられています。
しています。

 高裁判決も、「修復可能性に期待するには,もちろん夫に無理を強いる面があることは否定し難い。感情的で反発的な妻の態度に,夫が疲れ果て嫌気がさし,妻とこの先認識の食い違いを抱えたまま一緒に生活していくことは困難であると考えることは,その心情としては理解できないところではない。」とまでは述べており、離婚請求を認めるかどうか非常に微妙なケースだったことがわかります。

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