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2010年4月

2010年4月25日 (日)

裁判官は何を考慮して親権者を指定するか

夫婦間に子どもがいる場合、離婚するにはどちらかを親権者と決めなければなりません。

離婚が調停でも決着がつかず、訴訟までいった場合は、親権者を裁判官が指定することになります。

裁判官は、どのように親権者を指定するかということについては、いろいろ文献がありますが、
以下のような要素を考慮するというものがあります(中山直子「子の引渡しの判断基準」判タ1100号182頁)

<父母側の事情>
 1 監護能力や意欲
 2 精神的・経済的家庭環境(資産、収入、職業、住居、生活態度)
 3 居住・教育環境
 4 子に対する愛情
 5 従来の監護状況
 6 親族等の援助の可能性など
<子の側の事情>
 1 子の年齢、性別
 2 兄弟姉妹関係
 3 心身の発育状況
 4 従来の環境への適応状況
 5 環境の変化への適応性
 6 子の意向など

これらの要素を比較衡量して結論を導くとしています。

 ”比較衡量”というのは、あれやこれやをいろいろ考えて、一番妥当と思うところに決めることをいいますが、何を考慮するかというところが大事なわけでして、訴訟となれば、上記の点を主張・立証していくことが必要となります。


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2010年4月18日 (日)

有責配偶者からの離婚請求の裁判所での扱い

 有責配偶者からの離婚請求について,過去記事「有責配偶者からの離婚請求(最高裁判例)」で書きましたが、
 一般的には、以下の3要件があれば、離婚請求を認めるがそれ以外は認めないとされています
1 別居が相当長期間に及んでいるか
2 未成熟の子が存在するか
3 相手方配偶者に離婚により精神的・経済的に極めて苛酷な状況に置かれるか

では、この条件を満たさない場合は、裁判所はどうするのかということが、裁判官の講演録に書いてありました。

まず、
a 訴状で有責配偶者であることがわかり、要件を満たさない場合は、訴状の取り下げを促す。
というのです。
 これは私から見るとずいぶん過激な意見で、裁判所がここまでやるのはやりすぎだろうと思います。
 なぜならば、訴訟になった後に、それまでは「絶対離婚しない」といっていた被告側が離婚に応ずるという方針転換をしてくる場合があるからです。

b 裁判官もそのようなケースで、被告側にどのような話をするかについて触れています。
「おそらく審理をすれば、今回は原告の請求は棄却されるでしょう。
その意味では、あなたは裁判では勝訴する見込みが強いといえるでしょう。
 しかし、原告はそれで諦めるでしょうか。
数年後にはまた、離婚の訴えを提起してきます。
そのときには別居期間も長期になって、子どもさんの問題もないということになれば、裁判所の判断の天秤は逆に傾く事になるでしょう。
つまり、永久に勝ち続ける事はありえないわけです。
となると、どこかで決断をする必要があります。
意地もあるでしょうし、気持ちが治まらないということも理解できます。
しかし、気持ちが済んでも生活が出来ないのでは、もともこもありません。
原告の資力や今後の収入状況等をよく考えて、決断してください。
そのタイミングを誤ると、いくら裁判所に泣きつかれても、どうしようもないということもありうるのです」

参考文献
東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会編「平成17年度専門弁護士養成連続講座家族法」
阿部潤裁判官「離婚原因について-裁判実務における離婚請求権を巡る攻防-」

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2010年4月11日 (日)

離婚に携わる弁護士への裁判官の苦言

今から5年ほど前の裁判官の講演録に、離婚事件に当たる弁護士の力量不足を嘆くものがありました(参考文献)。

原文では、かなりマイルドに書いてありますが、

1 離婚に必要な法律の知識がない弁護士が多すぎる!
2 民事訴訟の手続きをよく知らない弁護士が多すぎる!
 審理のスピードについていけない弁護士すらいる。
3 当事者よりもエキサイトしてしまう弁護士は困りもの。
 本人がそこまで望まないのに、家族を解体させてしまう弁護士もいる。

ということがいいたいのではないかなと理解しております。

 裁判官はよく弁護士を見ていますから、なかなか手厳しいですね。


参考文献
東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会編「平成17年度専門弁護士養成連続講座家族法」
阿部潤裁判官「離婚原因について-裁判実務における離婚請求権を巡る攻防-」

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2010年4月 4日 (日)

本の紹介~「現代家事調停マニュアル」

先日、
「東京家庭裁判所における人事訴訟の審理の実情」

離婚調停・離婚訴訟
リーガル・プログレッシブ・シリーズ 7

を紹介しましたが、これは訴訟関係の本です。

「離婚調停・離婚訴訟
リーガル・プログレッシブ・シリーズ 7」
の方も、本の題名は、調停と訴訟と両方載っていますが、本の総ページが270ページ以上あるのに、調停を扱っているのは30ページ足らずで、調停の具体的なところは扱われておりません。

 調停委員が参照するような本としては、
「現代家事調停マニュアル
判例タイムズ社」

があります。

 家事調停ならびに家庭問題の援助に携わる実務家の皆様へのマニュアルとして書かれたものであり、調停委員の考え方が知りたい方は参考になると思います。


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