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2010年4月18日 (日)

有責配偶者からの離婚請求の裁判所での扱い

 有責配偶者からの離婚請求について,過去記事「有責配偶者からの離婚請求(最高裁判例)」で書きましたが、
 一般的には、以下の3要件があれば、離婚請求を認めるがそれ以外は認めないとされています
1 別居が相当長期間に及んでいるか
2 未成熟の子が存在するか
3 相手方配偶者に離婚により精神的・経済的に極めて苛酷な状況に置かれるか

では、この条件を満たさない場合は、裁判所はどうするのかということが、裁判官の講演録に書いてありました。

まず、
a 訴状で有責配偶者であることがわかり、要件を満たさない場合は、訴状の取り下げを促す。
というのです。
 これは私から見るとずいぶん過激な意見で、裁判所がここまでやるのはやりすぎだろうと思います。
 なぜならば、訴訟になった後に、それまでは「絶対離婚しない」といっていた被告側が離婚に応ずるという方針転換をしてくる場合があるからです。

b 裁判官もそのようなケースで、被告側にどのような話をするかについて触れています。
「おそらく審理をすれば、今回は原告の請求は棄却されるでしょう。
その意味では、あなたは裁判では勝訴する見込みが強いといえるでしょう。
 しかし、原告はそれで諦めるでしょうか。
数年後にはまた、離婚の訴えを提起してきます。
そのときには別居期間も長期になって、子どもさんの問題もないということになれば、裁判所の判断の天秤は逆に傾く事になるでしょう。
つまり、永久に勝ち続ける事はありえないわけです。
となると、どこかで決断をする必要があります。
意地もあるでしょうし、気持ちが治まらないということも理解できます。
しかし、気持ちが済んでも生活が出来ないのでは、もともこもありません。
原告の資力や今後の収入状況等をよく考えて、決断してください。
そのタイミングを誤ると、いくら裁判所に泣きつかれても、どうしようもないということもありうるのです」

参考文献
東京弁護士会弁護士研修センター運営委員会編「平成17年度専門弁護士養成連続講座家族法」
阿部潤裁判官「離婚原因について-裁判実務における離婚請求権を巡る攻防-」

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