« 離婚しない弁護 | トップページ | 事業承継となかなか引退しない社会 »

2016年4月28日 (木)

調停は相手方の住所地とは限りません(自庁処理)

調停では、申立てた方を「申立人」、申立てられた方を「相手方」と呼びます。
調停はどこで申し立てることができるかといいますと、相手方の住所地又は双方で合意したところというのが原則です。
調停にまでなるわけですから、合意なんでなかなかできません。
そうすると、相手方の住所地の裁判所ということになってしまいそうですし、実際そういうことが多いです。

例えば、夫婦二人で千葉市で暮らしていたけれども、男性のほうが実家に帰ってしまった、その実家は東京ですというような場合、女性から離婚調停を起こそうとすれば、東京の裁判所ということになります。

しかし、この原則には例外があります。

先ほどの例だと、千葉の裁判所には管轄がありません。
ですから、千葉の裁判所に女性が離婚調停を申し立てても、通常は東京の裁判所に移送されてしまいます。
ところが、裁判所が「特に必要と認めるとき」には千葉の裁判所でも調停はできるという規定があるのです。
これを専門的には「自庁処理」(じちょうしょり)といいます。

「特に必要と認めるとき」ですから、何か事情が必要です。
病気がちで東京まででも行くのが大変とか、夫は東京で暮らしているけれども、働いているのは千葉市だとかそういう何か理由となりそうなことを主張してみるほかありません。

「特に必要と認めるとき」というような曖昧な規定になっていますので、最終的には裁判官の判断になります。
裁判官の判断にかけて、ダメ元でも主張してみるということにはなりますが、主張するだけならデメリットはありませんので、やってみる価値はあるかもしれません。

弁護士に相談すると、とかく原則を強調して、「これは相手方の住所地の裁判所でやらないとダメですね」と言われることが多いかと思いますが、法律というものはこういう曖昧な側面で例外的な場合を救ってくれるようにできていますので、相手方の住所地ではどうしても困るという場合はチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

なお、自庁処理をせずに、相手方の住所地に移送した裁判に対しては異議申し立て(即時抗告)ができます。場合によっては違法になるという高裁の決定もでていますから、注意が必要です(仙台高裁平成26年11月28日決定「家庭の法と裁判」p112)。

離婚関連のご相談は無料(初回)
***************************************
千葉市中央区
法律事務所大地
ご相談受付は
  平日午前9:15〜午後5:00は、043−225−0570まで。
  平日午後5時〜午後7時半、土日祝午前9時から午後7時半は、
  043−221−1388(相談受付専用)までお電話下さい。
  ****************************************


|

« 離婚しない弁護 | トップページ | 事業承継となかなか引退しない社会 »

離婚調停」カテゴリの記事