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2017年1月

2017年1月29日 (日)

面会交流の間接強制、1回100万円という決定

最近の報道を見ていますと面会交流については、裁判所もだいぶ強制的な手法を取るようになってきたなと感じます。

毎日新聞の2017年1月21日の報道では、
”面会拒否に1回100万円 東京家裁が間接強制”
というのがありました。

「1回の拒否につき100万円を支払うよう求める間接強制を申し立て、東京家裁がこれを請求通り認める決定を出した」というものです。

間接強制の決定自体は珍しくなくなってきたのですが、この額はかなりのインパクトでした。
報道では、「夫の収入なども参考に1回100万円とした」と書かれているので、面会交流を拒否している夫の収入が相当なものだったのではないかとうかがわれますが、収入の詳細は報道からはわかりません。

そのため100万円という額だけが独り歩きしたきらいはあります。

判例雑誌に掲載されているケースで、間接強制の金額と収入がどの程度の関係にあるかをみておきましょう。

大阪家裁平成28年2月1日(判例タイムズ1430号)では、面会交流一回あたり4万円の間接強制を認めました。

このケースでは、母親側が年収72万円で、婚姻費用として毎月15万円を得ているとされているので、母親の収入は婚姻費用も合わせると
15万+72万÷12=21万円(月額)
となります。
月21万円の収入に対して間接強制は、一回あたり4万円ですから、5分の1くらいにあたります。
やはりかなりインパクトのある金額ですね。

もう少し裁判例をいろいろと分析してみないとはっきりしたことはいえませんが、一つのケースとして参考には成るかと思います。

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2017年1月22日 (日)

不貞慰謝料は破産すれば支払わなくてもよいか

被告側(不貞をした側)が破産手続きをしたら、慰謝料請求は免責となるのかどうか問題になった裁判例がありました。

東京地裁平成28年 3月11日判決です(判タ 1429号234頁)。

この判決では、免責になる(=不貞をした側は支払わなくてよくなる)との判断です。

破産法では「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」(253条1項2号)は免責されないと書かれています。この規定の「悪意」の解釈が学説上は議論されており、”故意を超えた積極的な害意をいう”というのが通説の解釈で、東京地裁もこの点については同様の判断でした。

とはいっても、不貞での積極的な害意とは何か?ということが問題となってきます。

判決は、積極的な害意があったかについて否定しました。
理由はこうです。
不貞行為の態様及び不貞関係発覚直後の対応などからすると不貞行為の違法性の程度が低いとは到底いえないけれども、一方的に配偶者を篭絡して家庭の平穏を侵害する意図があったとまで認定することはできないからだと。

つまり、慰謝料請求をする側からすると、「一方的に配偶者を篭絡して家庭の平穏を侵害する」ということまで立証しなければならないことになります。これはかなり厳しいです。破産者からすれば、そこまでの事案でなければ免責されることになり、比較的広く免責になるでしょう。
事例判断なので、全ての不貞慰謝料が免責されるわけではなさそうです。
また、一裁判官の判断なので、この考えが全ての裁判官に支持されるかどうかは今の時点ではなんとも言えませんが、今後この点を考えていく上では、参考となる判決です。

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2017年1月 9日 (月)

養育費の増減額

養育費というのは、一旦定めても増額・減額ができます。

法律の条文から書くのは、法律家の悪い癖かもしれませんが、まずは条文をあげておきしょう。

「扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。」

ポイントは、「事情に変更を生じたとき」というところです。
どんなときにこう言えるのか。

再婚とか新たな子の誕生ということになると、基本的には裁判所も事情の変更を認めます。

こんな裁判例があります。

養育費の減額が認められたケース。福岡高裁平成26年6月30日決定(判タ1410.100)。一人あたり月額20万円を17万円に変更した。本件は双方の再婚や新たな子の出生などの事情があるケースでした。

裁判所で決めたんだから、そう簡単には変更はさせませんよ、という裁判官もいます。
そういうことを明言した裁判例もあります。

「調停は当事者双方の話合いの結果調停委員会の関与の下で成立し、調停調書の記載は確定判決と同一の効力を有するのであるから、調停調書の内容は最大限尊重されなければならず、調停の当時、当事者に予測不能であったことが後に生じた場合に限り、これを事情の変更として調停の内容を変更することが認められる」(東京高裁平成19年11月19日決定)。

これは大分厳しい言葉ですねぇ。調停の当時予測不能、というのは。
実際に、この裁判例、養育費減額申立てを却下しています。義務者(父)が事業所得者。当初の養育費は年間所得293万円が前提であったが、翌年92万円となったので、義務者が減額を申立てていたのですが、却下されてしまった。

調停の翌年に申立てたというのが、よくなかったのかもしれません。200万円以上減額していますが、事業所得者(自営業)だし、特殊な事情も絡んでいるみたいなので、その辺りを考慮して、却下されたのかもしれません。

「調停の当時、当事者に予測不能であった」というこの裁判例の言い方は厳しすぎると思います。
そんなことを言ったら、再婚とか子が生まれるとかということまで、予測可能だったではないかと言われかねないからです。

そんなところまでは裁判所も言いません。
どこで線を引くのかというのは微妙な問題がありますが、事案に応じて弾力的には認めていくの裁判所のスタンスであると思います。


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