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2017年1月 9日 (月)

養育費の増減額

養育費というのは、一旦定めても増額・減額ができます。

法律の条文から書くのは、法律家の悪い癖かもしれませんが、まずは条文をあげておきしょう。

「扶養をすべき者若しくは扶養を受けるべき者の順序又は扶養の程度若しくは方法について協議又は審判があった後事情に変更を生じたときは、家庭裁判所は、その協議又は審判の変更又は取消しをすることができる。」

ポイントは、「事情に変更を生じたとき」というところです。
どんなときにこう言えるのか。

再婚とか新たな子の誕生ということになると、基本的には裁判所も事情の変更を認めます。

こんな裁判例があります。

養育費の減額が認められたケース。福岡高裁平成26年6月30日決定(判タ1410.100)。一人あたり月額20万円を17万円に変更した。本件は双方の再婚や新たな子の出生などの事情があるケースでした。

裁判所で決めたんだから、そう簡単には変更はさせませんよ、という裁判官もいます。
そういうことを明言した裁判例もあります。

「調停は当事者双方の話合いの結果調停委員会の関与の下で成立し、調停調書の記載は確定判決と同一の効力を有するのであるから、調停調書の内容は最大限尊重されなければならず、調停の当時、当事者に予測不能であったことが後に生じた場合に限り、これを事情の変更として調停の内容を変更することが認められる」(東京高裁平成19年11月19日決定)。

これは大分厳しい言葉ですねぇ。調停の当時予測不能、というのは。
実際に、この裁判例、養育費減額申立てを却下しています。義務者(父)が事業所得者。当初の養育費は年間所得293万円が前提であったが、翌年92万円となったので、義務者が減額を申立てていたのですが、却下されてしまった。

調停の翌年に申立てたというのが、よくなかったのかもしれません。200万円以上減額していますが、事業所得者(自営業)だし、特殊な事情も絡んでいるみたいなので、その辺りを考慮して、却下されたのかもしれません。

「調停の当時、当事者に予測不能であった」というこの裁判例の言い方は厳しすぎると思います。
そんなことを言ったら、再婚とか子が生まれるとかということまで、予測可能だったではないかと言われかねないからです。

そんなところまでは裁判所も言いません。
どこで線を引くのかというのは微妙な問題がありますが、事案に応じて弾力的には認めていくの裁判所のスタンスであると思います。


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