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2017年1月22日 (日)

不貞慰謝料は破産すれば支払わなくてもよいか

被告側(不貞をした側)が破産手続きをしたら、慰謝料請求は免責となるのかどうか問題になった裁判例がありました。

東京地裁平成28年 3月11日判決です(判タ 1429号234頁)。

この判決では、免責になる(=不貞をした側は支払わなくてよくなる)との判断です。

破産法では「破産者が悪意で加えた不法行為に基づく損害賠償請求権」(253条1項2号)は免責されないと書かれています。この規定の「悪意」の解釈が学説上は議論されており、”故意を超えた積極的な害意をいう”というのが通説の解釈で、東京地裁もこの点については同様の判断でした。

とはいっても、不貞での積極的な害意とは何か?ということが問題となってきます。

判決は、積極的な害意があったかについて否定しました。
理由はこうです。
不貞行為の態様及び不貞関係発覚直後の対応などからすると不貞行為の違法性の程度が低いとは到底いえないけれども、一方的に配偶者を篭絡して家庭の平穏を侵害する意図があったとまで認定することはできないからだと。

つまり、慰謝料請求をする側からすると、「一方的に配偶者を篭絡して家庭の平穏を侵害する」ということまで立証しなければならないことになります。これはかなり厳しいです。破産者からすれば、そこまでの事案でなければ免責されることになり、比較的広く免責になるでしょう。
事例判断なので、全ての不貞慰謝料が免責されるわけではなさそうです。
また、一裁判官の判断なので、この考えが全ての裁判官に支持されるかどうかは今の時点ではなんとも言えませんが、今後この点を考えていく上では、参考となる判決です。

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