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2017年10月

2017年10月31日 (火)

離婚訴訟の訴状


訴状は、離婚訴訟を始めるときに裁判所に提出する初めの書面です。
訴状を提出することを「訴えを提起する」と言います。
訴状についての基本的な事柄について押さえておきます。

1 「請求の趣旨」「請求の原因」とはどのようなものですか?
訴状、大きく分けて二つの部分に分かれます。
ひとつは結論部分。これを「請求の趣旨」といいます。
もうひとつが「請求の原因」で、どのような理由で裁判を求めるのかを書くところです。

2 「請求の趣旨」には何を書くのですか?
「請求の趣旨」では結論部分を書きます。離婚訴訟ですと次のようなことを書きます。
・離婚を求めること
・未成年の子どもがいる場合は親権者をどちらとするか
・養育費を請求する場合は、養育費請求の額
・慰謝料を請求する場合は、慰謝料請求の額
・財産分与を求める場合は、財産分与の申立て
・年金分割を求める場合は、年金分割の申立て

3 「請求の原因」では何を書くのですか?
「請求の原因」では「請求の趣旨」で求めたものを基礎づける事実を記載することとなっています。
 「離婚原因」をどのように書くのかについてはテクニックが求められます。
 弁護士の書いたものの中にはレベルの低いものも見られるらしく、裁判官はある論文で次のように厳しく批判しています(文章は改変してあります)。

”離婚原因は重要なポイントを整理し簡潔に記載してください。そのためには、
事前に十分な事情の把握をする必要がありますよ。それに法的な検討も必要です。離婚原因となる具体的事実を書いてください。端的に示すエピソードが必ずあるはずです。それを交えて記載するとわかりやすいものになりますよ。
 それなのに十分な検討をしていないものが見受けられますよ。具体的事実を書かずに、主観的な評価ばかり。裁判官の読みたいのは価値判断ではないんです。具体的な事実が裁判官の知りたいこと。それに法律の要件を念頭に置くのを忘れないで下さい。法律上の文章なんですから。長年にわたって結婚の生活史を延々と書いても全然ポイントに成りませんよ。そのようなポイントを外した訴状が結構多いのは困りものです”

4 訴状では主張したいことを全て書く必要がありますか?
 先ほど書きましたように、裁判官は「簡潔に」書くことを期待しています。
 裁判官が論文で指摘しているところですので、私も簡潔に書くように心がけています。
 主張したいことを全て書く必要はないのか?との質問がよくでるところではありますが、訴状で全てを書く必要はありません。
 というのも、訴状を提出した後も、準備書面といったもので主張する機会は与えられるからです。
 最初から詳細な主張をしてしまうとポイントがぼやけてしまいますので、詳細な主張は後からすることにしています。

5 弁護士さんから訴状案を示されたときはどのようなことに注意してみたら良いですか?
 まずは、「請求の趣旨」に漏れがないかどうか確認してください。
 また、「請求の原因」に書かれている事実に間違いがないかどうかを確認してください。ご自分では「これは重要なのに」と思っていることが、「請求の原因」に書かれていないときは、なぜそれが書かれていないのか弁護士さんに質問をしてください。
 弁護士も質問されることにより新たな視点を得ることもありますので。


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2017年10月21日 (土)

離婚訴訟~訴状提出から第1回期日まで

 訴訟の手続きというのは、なかなかわかりにくいものです。
 離婚訴訟は、「人事訴訟」という類型にあたり、「民事訴訟」と手続きの流れはほぼ同じです。一部違うところがあるのですが、民事訴訟とは兄弟姉妹のような関係だと思ってください。
 しかし、テレビドラマでよくお目にかかる「刑事訴訟」とはかなり違う手続きですので、同じ裁判とはいっても別物だと思っていただいたほうがよいです。

 さて、離婚訴訟を例にとって訴状を提出してから、第1回の期日を迎えるまでの流れについてご説明いたします。
 原告側に代理人(弁護士)がついている場合は、裁判所とのやりとりはすべて原告側の代理人が行います。

1 訴状を裁判所に提出します(遠方の場合は郵送で行います)。

2 裁判所は訴状を受け取ると、訴状をチェックします。
 不備が無ければ、裁判所側から、原告側に第1回期日をいつにするのか決める連絡が入ります。
 訴状を裁判所が受け取ってから、弁護士に連絡が入るまでは、順調にいって1週間程度であることが普通ですが、裁判所の都合で遅れることもあります。

3 第1回期日は、原告側の代理人(弁護士)と裁判所の間でだけ決められます。

4 第1回期日が決まったら、裁判所は被告側に、訴状などを送付します(送達)。

5 被告は、答弁書という書面を第1回期日前に提出しなければなりません。
 この答弁書は原告側にも送付しなければならないので、原告側も見ることができます。

6 第1回期日は、被告側の都合はきかずに定めているので、第1回期日のみ、被告側は欠席が許されていますが、それ以降の欠席は基本的には認められません。
 第2回期日以降は、双方が立会の上、期日が進められていきます。
 調停と違って本人が出頭する必要はなく(例外はあります)、ほとんどの期日は代理人(弁護士)によって進めることができます。


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2017年10月11日 (水)

家裁の審判への異議申立て(即時抗告)

前回の記事では、婚姻費用の調停や面会交流の調停は調停が不成立で終了すると、自動的に審判に以降するというお話しをしました。

今回は裁判官が審判という形で判断を示したときの異議申立て手続き(即時抗告)のことについて考えてみましょう。


例えば、こんなケースを想定してみましょう。

ケース 婚姻費用の審判
 妻が夫に婚姻費用請求をして、婚姻費用を認める審判がでた。審判では夫に未払い分として100万円を支払うこと、今後は月額10万円を支払うことが命じられた。

即時抗告は当事者のどちらもがすることができます。
今回は妻側は審判結果に不満はないが、夫側には審判結果に不満があり即時抗告をするという前提で考えてみます。

1 即時抗告申立てが出来る期間
 即時抗告は告知を受けた日から2週間以内にしなければならないことになっています。
 告知を受けた日というのは、具体的には審判書を受け取った日です。
 この受領日は大切ですから、弁護士を依頼している方は必ずこの受領日を確認するようにしてください。

2 費用はどの位かかるの?
 即時抗告申立て自体にかかるのは収入印紙代と郵券(裁判所に納める郵便切手代)です。
 収入印紙代は1800円と決まっていますが、予納郵券は裁判所毎に微妙に異なっているので、裁判所に問い合わせる必要があります。
 即時抗告自体の費用は収入印紙と予納郵券なのでそれほどかかりません。やはりかかるのは弁護士費用です。
これは弁護士によっても変わってくるので、見積もりをもらう等して確認してください。

3 妻側が即時抗告したかどうかは連絡がくるのか?
 妻側が即時抗告してもすぐには夫側には連絡は来ません。早めに確認を取りたければ、家裁の書記官に電話をして、妻側から即時抗告があったかどうかを確認すれば教えてもらえます。

4 即時抗告した場合、審判で命じられた内容はどうなる?
 即時抗告した場合は、審判で命じられた内容は一時的に効力が停止します。
これは即時抗告に、強制執行停止の効力があるからです。

5 即時抗告申立てした後の手続きはどうなるのか?
 通常弁護士が即時抗告を申立てる場合は、即時抗告の理由書は後から提出します。
 理由書は即時抗告を申立ててから14日以内にしなければなりませんから、だいぶきつい日程になっています。
 理由書の提出を待って高裁が即時抗告の判断をします。
 審判が出てから即時抗告の決定が出るまでの期間ですが、3ヶ月から4ヶ月程度が目安という感じです。

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