面会交流

2017年10月11日 (水)

家裁の審判への異議申立て(即時抗告)

前回の記事では、婚姻費用の調停や面会交流の調停は調停が不成立で終了すると、自動的に審判に以降するというお話しをしました。

今回は裁判官が審判という形で判断を示したときの異議申立て手続き(即時抗告)のことについて考えてみましょう。


例えば、こんなケースを想定してみましょう。

ケース 婚姻費用の審判
 妻が夫に婚姻費用請求をして、婚姻費用を認める審判がでた。審判では夫に未払い分として100万円を支払うこと、今後は月額10万円を支払うことが命じられた。

即時抗告は当事者のどちらもがすることができます。
今回は妻側は審判結果に不満はないが、夫側には審判結果に不満があり即時抗告をするという前提で考えてみます。

1 即時抗告申立てが出来る期間
 即時抗告は告知を受けた日から2週間以内にしなければならないことになっています。
 告知を受けた日というのは、具体的には審判書を受け取った日です。
 この受領日は大切ですから、弁護士を依頼している方は必ずこの受領日を確認するようにしてください。

2 費用はどの位かかるの?
 即時抗告申立て自体にかかるのは収入印紙代と郵券(裁判所に納める郵便切手代)です。
 収入印紙代は1800円と決まっていますが、予納郵券は裁判所毎に微妙に異なっているので、裁判所に問い合わせる必要があります。
 即時抗告自体の費用は収入印紙と予納郵券なのでそれほどかかりません。やはりかかるのは弁護士費用です。
これは弁護士によっても変わってくるので、見積もりをもらう等して確認してください。

3 妻側が即時抗告したかどうかは連絡がくるのか?
 妻側が即時抗告してもすぐには夫側には連絡は来ません。早めに確認を取りたければ、家裁の書記官に電話をして、妻側から即時抗告があったかどうかを確認すれば教えてもらえます。

4 即時抗告した場合、審判で命じられた内容はどうなる?
 即時抗告した場合は、審判で命じられた内容は一時的に効力が停止します。
これは即時抗告に、強制執行停止の効力があるからです。

5 即時抗告申立てした後の手続きはどうなるのか?
 通常弁護士が即時抗告を申立てる場合は、即時抗告の理由書は後から提出します。
 理由書は即時抗告を申立ててから14日以内にしなければなりませんから、だいぶきつい日程になっています。
 理由書の提出を待って高裁が即時抗告の判断をします。
 審判が出てから即時抗告の決定が出るまでの期間ですが、3ヶ月から4ヶ月程度が目安という感じです。

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2017年1月29日 (日)

面会交流の間接強制、1回100万円という決定

最近の報道を見ていますと面会交流については、裁判所もだいぶ強制的な手法を取るようになってきたなと感じます。

毎日新聞の2017年1月21日の報道では、
”面会拒否に1回100万円 東京家裁が間接強制”
というのがありました。

「1回の拒否につき100万円を支払うよう求める間接強制を申し立て、東京家裁がこれを請求通り認める決定を出した」というものです。

間接強制の決定自体は珍しくなくなってきたのですが、この額はかなりのインパクトでした。
報道では、「夫の収入なども参考に1回100万円とした」と書かれているので、面会交流を拒否している夫の収入が相当なものだったのではないかとうかがわれますが、収入の詳細は報道からはわかりません。

そのため100万円という額だけが独り歩きしたきらいはあります。

判例雑誌に掲載されているケースで、間接強制の金額と収入がどの程度の関係にあるかをみておきましょう。

大阪家裁平成28年2月1日(判例タイムズ1430号)では、面会交流一回あたり4万円の間接強制を認めました。

このケースでは、母親側が年収72万円で、婚姻費用として毎月15万円を得ているとされているので、母親の収入は婚姻費用も合わせると
15万+72万÷12=21万円(月額)
となります。
月21万円の収入に対して間接強制は、一回あたり4万円ですから、5分の1くらいにあたります。
やはりかなりインパクトのある金額ですね。

もう少し裁判例をいろいろと分析してみないとはっきりしたことはいえませんが、一つのケースとして参考には成るかと思います。

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2016年2月 7日 (日)

面会交流~「裁判勝っても保障なく」

静岡新聞の面会交流の記事です。

「わが子」に会いたい~離婚と面会交流 (1)裁判勝っても保障なく
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160207-00010000-at_s-l22

記事の事案では次のようなケースのようです。
***********
 夫婦の離婚は裁判所の調停で話し合われた。夫婦には一人息子がおり、別居後は妻が子どもと共に暮らしている。
 離婚調停中に、夫は、息子と面会交流をした。
 調停で離婚は成立し、親権は妻が持つこととなった。
 調停では面会交流にについては条項を定めたのかどうかは不明である。
 しかし、条項の有無に関わらず、妻は離婚後から父子の面会を認めなかった。
 否、連絡すらとれなくなった。
 
 元夫は家裁に面会交流を求める調停を起こしたが、不成立。審判に移行し、「月に1回、市内で2時間程度面会をする」と裁判があった。
 男性の勝訴である。
 しかし、元妻は、息子を会わせようとしない。
***********
 実際に法律相談を受けていますと、この男性のようなケースは、決してまれではないと思います。
 
 面会交流の最大の問題点は、この記事の題にもあるように「裁判に勝っても会える保障がない」ことにあります。
 
 現在の裁判所の考え方は、原則として面会を認めます。
 このケースでは、月1回2時間程度という裁判が出ていますが、これが裁判所の今のスタンダードな考え方でしょう。
 
 しかし、それを強制していくということはすぐにはできないような裁判になっています。
強制していくには、再度面会交流の調停(または審判)を申し立てなければならない。
このように何回も何回も裁判所に申し立てをするのでは、心が折れてしまうのが普通でしょう。
 実際、この男性も「裁判に勝ち続けても、願いはかなわない。仕事を休んで法廷闘争に時間を費やす間、息子は成長していってしまう」という思いから、間接強制を行おうとは思っていないようです。

 アメリカの映画を見ていると、再婚したと思しき夫婦のもとに、元夫が子どもを迎えに来る・・・というシーンがあるので、アメリカではそういう理想的なことが行われているところもあるのでしょう(全てではないのでしょうが)。

そういう理想が日本でも現実のものとなるのはまだ先のようです。

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2013年4月16日 (火)

子の心情と間接強制決定

面会交流についての最高裁の重大な決定(最高裁平成25年3月28日決定)。
子どもが面会交流するのは嫌だといった場合。
こういう場合でも、間接強制を認めるのかどうかが問題となりました。
最高裁の結論
→その場合でも間接強制決定はできる。

では、子どもの心情はどのように配慮されるのか?

というと、
 事情が変わったということで、調停や審判を申し立てる理由にはなるので、そのような手段を取ってください
ということが書いてあります。
つまり、
審判できちんと内容が決まっている限り、強制執行(間接強制)はできます
子どもさんの心情が変わった場合は、別の調停(や審判)をやってください
というのが、最高裁の取る結論です。


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2013年4月 9日 (火)

面会交流で間接強制決定できる基準

最高裁が面会交流の間接強制について重大な判断をしました(最高裁平成25年3月28日決定)

どのような場合に間接強制できるのか?

最高裁が示した判断基準は次のとおりです。

1 面会交流の日時又は頻度
2 各回の面会交流時間の長さ
3 子の引渡しの方法等
が具体的に定められているなど監護親がすべき給付の特定に欠けるところがないといえる場合。

これだけでは、抽象的すぎてわかりにくい。
という方のために、最高裁が間接強制を認めたケース(札幌家庭裁判所の審判)を見てみましょう。

札幌家裁の審判が認めた面会交流要領は次のとおり。

①面会交流の日程等について,月1回,毎月第2土曜日の午前10時から午後4時ま
でとし,場所は,長女の福祉を考慮して相手方自宅以外の相手方が定めた場所とす
ること
② 面会交流の方法として,長女の受渡場所は,抗告人自宅以外の場所と
し,当事者間で協議して定めるが,協議が調わないときは,JR甲駅東口改札付近
とすること,抗告人は,面会交流開始時に,受渡場所において長女を相手方に引き
渡し,相手方は,面会交流終了時に,受渡場所において長女を抗告人に引き渡すこ
と,抗告人は,長女を引き渡す場面のほかは,相手方と長女の面会交流には立ち会
わないこと,
③ 長女の病気などやむを得ない事情により上記①の日程で面会交流
を実施できない場合は,相手方と抗告人は,長女の福祉を考慮して代替日を決める
こと
④ 抗告人は,相手方が長女の入学式,卒業式,運動会等の学校行事(父兄
参観日を除く。)に参列することを妨げてはならないこと
などが定められていた。

これだけ具体的に特定する必要がある。
これを今後は参考にすべきでしょう。

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2013年4月 2日 (火)

面会交流についての最高裁の重要な決定

面会交流についての最高裁の重要な決定がでました。
平成25年3月28日付。

本日広く報道されています。

金銭支払い命じる「間接強制」は可能 子供の面会拒否で最高裁初判断

面会交流で、双方の協議ができないときは、調停や審判というものに進まざるをえない。
では、どのような文言にすべきか?
これが今回の最高裁の判断のメインテーマです。
面会交流の「間接強制」とは、子どもを養育している側が面会を拒否した場合に、「お金を支払え」という形で強制していく方法。
どんな言葉で調停調書がかかれていれば、間接強制ができるか。
どんな言葉で審判書がかかれていれば、間接強制ができるか。

その基準を最高裁が明確にしました。
今後は必ず参照されるべき最高裁決定です。
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2012年5月14日 (月)

面会交流と慰謝料請求

前回は、面会交流を妨害したことにより慰謝料が認められた判決を紹介しましたが、今回は、慰謝料が認められなかったケースを紹介します。

東京地裁平成13年12月27日判決(ウエストロー・ジャパン)

 事案は、元夫(父親)が三人の子との面接交渉権を侵害されたことを理由として元妻に対し慰謝料請求をしたというものです。

 裁判所は、慰謝料を認めませんでした。
 理由は、元夫(父親)の言動等に子らの福祉に反する事情があったとしたからです。

 この判決は、面会交流について詳しく論じています。

 「面接交渉権は、親子という身分関係から認められる自然権である親権に基づき、これが停止された場合に、監護に関連する権利として構成されるものというべきである。もっとも、面接交渉は、子の人格形成、精神的発達に必要かつ有益であることを基礎としているのであり、子の福祉のために認められるべきものでなければならない。そのため、面接交渉は、子が親からの愛情を受け、親との交流を通じて人格を形成し、精神的に発達する権利としてとらえられるべきである。子は、非監護親と面接することにより、監護親からは得ることのできない会話や遊び、相談などの利益を得ることができる。また、非監護親との交流を継続させることにより、子への愛情や関心がなくなることに対する不安感や孤独感、無力感等を解消しうる利益が得られるのである。特に、人格の基礎が形成される幼児期においては、子が両親と触れ合うことの重要性は重大であるし、この時期を逃しては得ることのできない体験もあるものというべきである。」

 このように述べた上で、面会交流を考えるポイントを次のように述べています。

1 面接交渉について検討する際には、まず、子の福祉の観点から考えなければならない
2 親は、子自ら実現することの困難な面接交渉権を実現させる責務を負うのであって、一方の親との交流を断ち切ってしまうことは、極力避けなければならない
3 もっとも、面接交渉が、子の人格形成、精神的発達を害する等、子の福祉に反するような特段の事情がある場合には、面接交渉権も制限を受けざるを得ない。
4 子の福祉に反するかどうかは、あくまでも子の福祉の観点から、それぞれの事案に即して個別具体的に判断すべきであり、監護親の個人的感情のみから面接交渉を拒絶することは許されない。
 何ら子の福祉に反するような事情がないにもかかわらず、面接交渉を阻害するような行為は、面接交渉権の侵害となる。

おそらくこの辺の論述は、法律実務家の共通認識といえるのではないかと思います。

このケースではこのような一般論を述べた上で、元夫(父親)が元妻に手紙や電話をして、元妻を精神的に不安定にさせ、元夫への信頼を失わせて元夫に対する面接交渉を躊躇させる言動があったものとして、元夫の慰謝料請求を認めませんでした。

面会交流をする上では、元夫、元妻とも社会常識に則った対応を取ることが求められるといえると思います。
当事者はいろいろな葛藤を抱いているだけに(それだから離婚したわけですが)、自制的な行為をする必要があるといえます。


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2012年5月 7日 (月)

面会交流の妨害と慰謝料

面会交流を妨害された場合、そのことを理由に慰謝料を請求することは可能です。
もっとも、妨害されたということだけで請求が認められるわけではなく、子の福祉を中心にして、父母双方の事情を総合考慮するという手法を裁判所は取ります。

東京地裁昭和63年10月21日判決(家月 41巻10号145頁)は、
 協議離婚の際父母間で合意した父と未成熟子との面接交渉が母によつて妨害されたとして、父子の母に対する慰謝料請求を認めた事例
です。

 このケースでは、協議離婚とのときに、1か月に1回(原則として全日)子どもと面会させるという約束をしていたのに、面会させなかつたり、面会させても全日という原則を守らなかったりしたという事実が認められています。

 興味深いのは、裁判所が慰謝料を認定している基準です。

 原告は、
  1 本来面会できるはずの回数につき、面会の機会も設定されなかつたときは、1回につき金20万円
  2 一応面会できたが、被告側の都合によつてついでに面会の機会を作つたり、十分な時間的余裕を持たなかつたときには、1回につき金10万円
  3 面会の約束にもかかわらず、これが破棄されたときには1回につき金30万円
 の慰謝料が妥当だと主張。

 裁判所はそれは高すぎるとして、
1 一部面会ができた場合
  午後2時ころから面会がされた場合について 1回あたり金5000円
  午後7時から面会がなされた場合について 1回あたり金1万円
2 面会の約束がされなかつた場合については、1回あたり金2万円
3 面会の約束がされたにもかかわらず、破棄された場合については1回あたり金3万円
という基準を設定しました。

これはひとつの裁判例であり、この基準がほかの裁判例で踏襲されているわけでもないのですが、ひとつの考え方として参考にはなるかと思います。

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